データサイエンスの分野は、とても広範囲に渡ります。データサイエンティストは日々、自動化するためのツールを使い、統計分析を行い、機械学習モデルを訓練させ、そこから洞察を得ています。データを受け取ったその瞬間から、データ分析の結果を発表するまで、データサイエンティストは、最終的な結果が得られるまでに積み重なっている、ひとつひとつの小さな作業の内容すべてに精通している必要があります。そこで今回は、データサイエンティストとして成功するために必要な5つのヒントをご紹介します。
データサイエンティストはただのIT専門家ではありません
データサイエンティストの役割は、情報技術、統計学、数学、論理学、そして幾分哲学にさえ及んでいます。このことを理解した上で、データサイエンティストは、その役割に秀でるために、これらすべての領域に精通していなければなりません。私たちは、現実の状況には適用されない統計的手法を、批判的に検討する際に哲学を用います。また、データ分析のため数学的アルゴリズムを設計します。さらに、人工知能を作るために、論理と機械学習アルゴリズムを組み立てます。機械学習アルゴリズムには、統計学と数学が必要です。これらすべての分野に精通するためには、データサイエンティストは時間をかけてこれらすべての分野の専門知識を積み上げていかなければならないのです。
習得には本当に時間がかかります
成功するデータサイエンティストになるための近道はありません。私は、さまざまな業界の多様な専門分野をすべて習得するのにほぼ15年かかりました。そしてその15年の間に、私は数え切れないほどの昼夜を費やして、データサイエンスの勉強と実践を重ねました。最初は統計学の本を読むことから始め、ソフトウェアを使わずに手計算で練習しました。そして、ソフトウエアを使い、コーディングの練習をしました。そして、勉強と実践の末に得た専門知識を統合して、人工知能を作り上げるようになりました。このように多様な知識を身につけるには、多くの時間が必要ですが、それと同時に多くの問題解決の場を経験することも必要です。
データサイエンスの一番の目的は問題を解決すること
データサイエンティストは問題を解決するのが仕事です。そして、何が本当の問題なのかを正しく見極めることが非常に重要です。目立たないケースでは、手持ちのデータでは問題を解決できないこともあります。その際には、センサーやウェブスクレイピング、その他役立つ方法を使って、より多くのデータを収集する必要があるのです。また、データサイエンティストが専門的な機材を用いてデータを収集することが困難な場合は、目標達成に向けて、他の専門家やデータサイエンティスト同士で協力することもあります。
とにかくチームワークが大切!
データサイエンティストは独りで仕事をしているわけではありません。エンジニアからのアドバイスがデータサイエンスの成果に大きな影響を与えることもありますし、反対に、データサイエンスにおける目標達成のための要件が、必ずしもエンジニアの手によって満たされるとも限りません。チームとして協力し目的を達成するためには、業界常識の裏をかく道も探る必要があるのです。時には他のデータサイエンティストの視点が新たな洞察を生むのに役立つこともあります。そして何より、既成概念にとらわれない発想が必要です。
発想を転換させる
データサイエンティストは、既成概念にとらわれない発想が必要です。また、困難な課題に直面した時には、その対処法を見つけるため、時間や労力などたくさんのリソースを費やさねばなりません。以前、ある問題の根本原因を特定する仕事を任されたことがありますが、その時は課題が山積みで、問題を特定することは到底不可能に思えました。障害となるものが多すぎたのです。しかし、私は目的までの道のりをとても小さなタスクに分け、段階的に処理していくことで、その問題の根本原因を特定することに成功しました。私は目標達成のために、そのひとつひとつの小さなステップの中で、自分の小さな道筋を工夫していったのです。
以上のことを皆様にお伝えすることで、信頼でき、頼り甲斐があり、自信あふれるデータサイエンティストとなるために必要なことを理解する一助となればと思います。